Nikon F3 + 50mm F1.4
Nikon F3が欲しいと思ったきっかけはVivian Maierのストリートスナップを見てからだ。
ウエストレベルファインダーの二眼レフカメラ・ローライフレックスを構える姿に憧れて、ウエストレベルで撮れるカメラを探していた。
しかし二眼レフだとブローニーフイルムなので入手も現像も難しく、かつ高価だ。
そこで一眼レフでウエストレベルのカメラは無いかと探した。ドイツ製エクサクタはウエストレベルでデザインも独特だった。さらに入手が難しかった。
エクサクタ
そこで見つけたのがNikon F3 だった。
F3のファインダーはアイレベル、ハイアイポイント、ウエストレベルの3つにカスタマイズが可能だ。
男って生き物は
「カスタマイズ」が無条件で好きだ。
アイレベルファインダー
ウエストレベルファインダー
そしてこの、ブラックボディに赤色ラインの入ったクールなデザイン、ほどよく出っ張ったグリップ、絞り優先AE。
僕は全てに惚れ込んだ。
購入したのは結構前。3年前くらいかな。
フイルムカメラは他にもNikon FM2、OLYMPUS OM-1、ミノルタ SR-T101、PENTAX KM等、複数台所有しているが、1番使用頻度が高いのは、やはりF3だ。
最近はほとんどフイルムで撮っていなかった。ここ1年くらいはOLYMPUS E-M10iiでモノクロストリートスナップを撮っていたし、つい2か月前にPENTAX K70を購入してからはシャッター音を聴ける幸せや、クリアーな光学ファインダーに夢中だった。
このミラーレス一眼と一眼レフを併用する日々の中、「フイルムっぽい写真」をデジタルで撮れないものだろうか、と試行錯誤していたが、やはりフイルム特有の粒状感や味わいは再現出来なかった。
ならばフイルムで撮ろう、と思い立ち、久しぶりにNikon F3を持ち出した。
(シャッターボタン、ストラップを赤で統一しているところがこだわり)
使ってみて改めて感じたF3の長所は、まず絞り優先AE。
絞りは天候やロケーションによってこのくらいの絞りならSS 1/125秒で撮れるかなという絞り値に合わせておいて、撮りたいと思ったらスイッチを入れ、フイルムを巻き上げ、構図を決めて、シャッターを押す。SS設定を割愛出来てクイックリーに撮影できる。
あとは見やすいファインダー。覗くと上部にSS・露出(デジタル)と絞り値が表示されている。これが日陰であってもよく見える。ここまでストレス無く、被写体、構図に集中させてくれるカメラは他には無い。
最後に、繰り返しになるけどこのデザインだ。クールなブラックボディ、類を見ないフォルムにダイヤル配置の美学。
今日1日、F3を持ち歩き、シャッターを切り、帰ってきたら室内でF3を撮り、F3尽くしだった。小さなホコリも綿棒で拭いて整備した。
「アリガトウ」
そう、F3が言っていた。
このカメラが自身の分身だと思えたら、カメラと対話も出来るのだ。
かっこいいね、可愛いね、オシャレだね。
そう声をかけると、照れたように赤いラインが濃くなった。