僕はフイルムカメラを4機持っている。それぞれ個性があって可愛いのだけど使用頻度が1番高いのはNikon F3 だ。
それでも36枚撮り終えるのに3ヶ月くらいかかる。平日持ち歩くのはミラーレス一眼のE-M10Mark2だけなので(時間がないからパパッと撮れるデジタルが良い)、F3の出番は自ずと休日になる。でも中々出掛けないので、やはりF3を持ち出すのは月に1・2回になる。
フイルムカメラは面白い。 フイルムに景色が焼き付くという化学反応がたまらないし、仕上がった写真の雰囲気はフイルムにしか介在し得ない空気感を含んでいる。メカニカルシャッターの感触や音も風情があるし、なにより何十年前に製造されたものが未だにちゃんと動作して生産性を持ち続けていること、それを使えることに特別さを感じられる。 あぁ、カメラは家電ではなく精密機械なのだ、と。
それでも持ち出すのは月に1・2回なのだ。 持ち出そうと思った時というのは、フイルム以外で撮りたくない！くらいの勢いなんだけど、部屋の中にいるF3を見ているとなんだか不憫に感じてしまう。
でも君を持ち出すときは必ず来る。だから、無理したくないのだ。無理に持ち出しても、1・2枚しか撮らないかもしれない。
F3よ。 君は素晴らしい。 僕は君が大好きだ。 君のシャッター音や、掴みやすいグリップはいつも僕をメロメロにする。正面の赤いラインなんてとてもセクシーじゃないか。
だからいつまでも、僕が君を持ち出したいと思った時に2人で素晴らしい景色を眺められるように待っていてくれ。 だから寂しい眼をしないでおくれよ。
