まめカメラ

まめのカメラブログ

カメラが好きな八王子在住 28歳のブログ

カメラを始めた理由

f:id:k241214:20210508001705j:plain



僕にとって初めてのカメラは「iPhone」だった。いまや最も使われているコンデジスマホなんて言われているけど、僕も入りはスマホだった。

大学1年の時、8年くらい前か、ガラケーからiPhoneに変えて、そのカメラ機能に驚いた。
8年前のiPhoneだから今と比べたら画質は悪い方だっただろうけど、「カメラを買わずにこんなに綺麗なデジタル写真が撮れるんだ!」という感動があった。これがきっかけで写真に興味を持ったからスティーブ・ジョブズには感謝だ笑
あとはSNSが本格化した時代だったから、綺麗な写真を上げて仲間内に褒められたいという欲求もあった。体育会系ではないから、文化系の、芸術分かってますよ的なキャラ作りを無意識にしていたんだと思う。

iPhoneはカメラ関連のAppも豊富で、僕は5000円分の有料カメラアプリをインストールしまくって、山の上の公園や、通学路にある鉄塔を撮った。
本当は本格的なカメラで撮りたい、でもバイトだけではウン十万もする一眼レフカメラを買うのはなかなか難しい。貯金が苦手だし笑

親父もカメラが好きで、たくさん持っているわけではないけどCanonのフルサイズ一眼を使っていた。小さい頃から身近にカメラがあったことも、僕がカメラに興味を持つひとつのトリガーだったのかもしれない。

大学3年の頃、初めてカメラを買った。でも予算は5万円くらい。レンズ交換式を買える訳もなくPENTAX X-5を購入した。高倍率で一眼ライクなフォルムのコンデジ、ネオ一眼と呼ばれる部類のカメラだ。
望遠を撮れることはまた僕にとって感動だった。夜な夜な外に出て手持ちで月を撮ったり、動物園に行ったりした。

この時点で、僕はまだ「カメラが趣味だ」と認識していなかった。まぁ学生だから勉強やバイトに忙しくて趣味を持ってる暇がなかったんだろう。「僕の趣味ってなんだ?」と考えることもなかったように思う。

就活が始まって、なかなか気持ちに余裕が持てなかったからか、X-5を持ち歩くことも減った。相変わらずiPhoneでは写真を撮っていたけれど、あーまた一過性の流行りだったんだなと思ってX-5を売ってしまった。

大学を卒業して就職をして一人暮らしを始めてすぐに悲しい出来事があった。お別れというものを初めて経験して、たったそれだけだったけど今でも人生で1番辛い時期だと思う。1人でもんもんと思考を巡らせて悪い方悪い方に進んでいった。希望もなく、絶望とまでは行かないけど人生に落胆していた。世界がモノクロに見えるとはこのことかと思った。

そんな時になぜだかカメラが欲しくなった。色々と調べていくうちにCanon EOS 70Dに行き着いた。十何万もしたけど給料で初めて高額なものを買った。

そこからカメラに没頭する日々が始まった。カメラのフォルムやグリップの握り心地、手のひらいっぱいに感じる重厚感、シャッター音の潔よさ、瞬間を写し止める楽しさ。色々なカメラを調べていく内にどんどんカメラが好きになっていった。

休日は近場の公園で花や景色を撮った。撮影モードも色々と試して、撮影のいろはを学んでいった。

次の年、期間限定の出向となって、電車通勤をするようになると、撮影対象は街になった。駅のホームや裏路地や、こんなところにあったっけ?と思うような公園の時計台を撮った。肉眼では気づけないものをファインダーを通すと発見することが出来る。ストリートスナップに惚れた瞬間だ。日常の中にある幸福を、カメラを通して捕まえていきたいと思った。少しずつ考え方も変わっていって、カメラのおかげで希望を持つことが出来るようになっていった。

プロの写真家はどんなストリートスナップを撮るんだろう、と調べていくとVivian Maierに行き着いた。
モノクロのストリートスナップで、構図が美しく、写る人々のストーリーを思わせる写真に感銘を受けて、それから僕もモノクロストリートスナップが主体になった。

でも70Dでは重すぎデカすぎてストリートスナップに向かないのでOLYMPUS E-M10 Mk2を買い足したり、それ以降もモノクロストリートスナップに向いているコンパクトなサイズのカメラを好んで試すようになった。つい最近迎え入れたRICOH GR3もスナップ用だ。


僕はカメラを通して「幸福」を探している。普段忙しなく過ごしている生活の中に、街に、通勤路に「幸福」はこっそり隠れている。
でも隠れているのは幸福だけじゃない。
無機質で流動的な街、人間が作り上げた建造物、人の流れ、それぞれの人生、それぞれの悩み。
絶望とまでは言わないけど、生きていく中での歪み、ノイズのようなものも日常には存在している。
こんな「幸福 」と「ノイズ」を写し留めるにはモノクロが1番だと思っている。映し出すと言うより浮き彫りにする。




f:id:k241214:20210508002215j:plain


だから街に出る。